アフリカの中東部、タンガニーカ湖のほとりに位置する小さな国ブルンジ。北はルワンダと接し、丘の多い風景や、小さな農家がコーヒーを育てる暮らしにも、よく似たところがあります。

生産量はけっして多くありません。けれど、ていねいに精製されたブルンジのコーヒーは、品評会でも高い評価を受けてきました。今回は、この産地について紹介します。


1haに満たない畑から

ブルンジのコーヒーづくりを担っているのは、小さな農家です。輸入会社Cafe Importsによると、コーヒーに関わる人はおよそ70万人にのぼり、一軒あたりの畑は平均して1haに満たないとされます。

2013年、ブルンジのコーヒー規制当局の長が国際コーヒー機関(ICO)の会合で述べたように、ブルンジはブラジルのような量を生産することはできません。そのかわり、スペシャルティコーヒーの産地として存在感を示してきました。


ウォッシングステーションの仕事

農家が摘んだコーヒーチェリーは、地域のウォッシングステーション(ウェットミル)に集められ、ウォッシュドに精製されるのが一般的です。ナチュラルのロットもつくられています。

Cafe Importsが紹介するブルンジの典型的なウォッシュドは、次のような手順です。

  1. パルパーで果肉を取り除く(精選)
  2. 水を使わずに12時間ほど発酵させる
  3. 山の水に12〜14時間ほど浸す
  4. 水に浮かべて密度で選別し、さらに12〜18時間ほど浸す
  5. パーチメントの状態で、アフリカンベッドの上で乾燥させる

たとえば2013年のカップ・オブ・エクセレンスで入賞したムインガ州のギシャンブシャ・ステーションは、標高1,620mにあり、180の乾燥棚を備えていると記録されています。1992年に建てられた政府所有のステーションで、生産者は品質に応じて受け取るプレミアムを励みにしているといいます。


改革と、品評会での評価

ブルンジのコーヒー産業は、長く国の強い管理のもとにあったとされます。2005年には、世界銀行やIMF、EUの支援を受けて、コーヒー部門の自由化と民営化に向けた改革が進められていることがICOを通じて伝えられています。2008年には生豆の販売に関する規制が緩められ、民営化が本格的に進み始めたとされます。

品質を高める取り組みが実を結んだのが、2012年に開かれたブルンジで初めてのカップ・オブ・エクセレンスです。ブルンジはアフリカで2番目の開催国となり、入賞した17のロットは、10の州にある14のウォッシングステーションから生まれました。1位に選ばれたのは、カヤンザ州のステーションのロットで、91.40点という高い評価を受けています。入賞の条件は、国内と国際の審査員による5回以上のカッピングで、いずれも85点以上を得ることでした。

2014年には、アフリカのスペシャルティコーヒーの団体であるアフリカ・ファインコーヒー協会(AFCA)の会議もブジュンブラで開かれることになり、ブルンジはスペシャルティの産地としての存在感を高めていきました。

小さな畑のチェリーが集まり、ていねいな手仕事を経て、世界に届く一杯になる。

隣国と共通する課題

ルワンダと同じく、ブルンジのコーヒーにもポテト臭という課題があります。生のじゃがいものようなにおいがする欠点で、豆の見た目では見分けることができません。原因の解明と対策に向けた研究が、東アフリカの国々で続けられています。


果実と花の香りを楽しむ

すぐれたブルンジのコーヒーは、イチジクのジャムのような甘さや、花、柑橘の香りを持つといわれます。2013年の入賞ロットにも、オレンジやメロン、はちみつ、スイートチョコレートといった言葉が並びました。

丘の上の小さな畑と、ウォッシングステーションのていねいな仕事。その積み重ねから生まれる一杯を、機会があればぜひ味わってみてください。