中米のコーヒーといえば、グアテマラやコスタリカを思い浮かべる人が多いかもしれません。けれど近年、品評会で存在感を増しているのがホンジュラスです。

山がちな国土のあちこちで、たくさんの家族がコーヒーを育てています。近年は品評会での評価も高まり、スペシャルティコーヒーの産地としても注目を集めています。


山あいの家族が育てるコーヒー

ホンジュラスのコーヒー機関であるIHCAFE(ホンジュラス・コーヒー院)は、国内のコーヒー生産を次のように紹介しています。

大規模な農園よりも、家族単位の生産者が産業を支えているのが、ホンジュラスの大きな特徴です。

産地の名前を守る取り組みも、早くから進められてきました。2005年11月、マルカラの生産者団体ADOPCAMの申請によって「カフェ・マルカラ」が原産地呼称として認められました。ホンジュラスで、そして中米で初めて法的に認められた、コーヒーの原産地呼称とされています。


6つの産地

IHCAFEは、国内のコーヒー産地を6つの地域に分けています。

  1. コパン
  2. オパラカ
  3. モンテシージョス
  4. コマヤグア
  5. エル・パライソ
  6. アガルタ

それぞれ気候などの条件が異なり、香りや味わいにも違いが生まれるとされます。IHCAFEは、栽培の目安として標高900m以上、上限1,600mほどを挙げています。また、品評会で入賞する農園の多くは標高1,200m以上にあると紹介しています。


ホンジュラスで生まれた品種

IHCAFEのよくある質問には、国内で栽培される品種として、レンピラ、パライネマ、IHCAFE 90、カトゥーラ、パカス、ビジャサルチ、ブルボン、ティピカが挙げられています。

このうちレンピラ、パライネマ、IHCAFE 90は、IHCAFEが育成した品種です。World Coffee Researchの品種カタログによると、それぞれ次のような特徴があります。

病気に強いはずの品種でも、病原菌の変化によって抵抗性が失われることがあります。2012年に中南米でさび病が大流行したことも、品種づくりの難しさを物語っています。

山あいの小さな畑から、世界が注目する一杯が生まれている。

品評会が変えたもの

ホンジュラスでは2004年から、国際品評会カップ・オブ・エクセレンス(スペイン語でタサ・デ・エクセレンシア)が開かれています。IHCAFEによると、これまでに3,200を超える生産者が参加し、520以上のロットが入賞しました。

2024年には、入賞ロットが1ポンドあたり136.50ドルで落札され、ホンジュラスの電子オークションの記録を更新しています。現在の品評会には、ゲイシャやパカマラなどの部門、伝統的な品種の部門に加えて、パライネマだけを競う部門も設けられています。

一つひとつの家族が丁寧に育てたコーヒーが、品評会を通じて正当に評価される。その流れが、ホンジュラスのコーヒーの可能性を大きく広げてきました。ホンジュラスの山あいには、まだ知られていない味わいがたくさん眠っているはずです。