コーヒー豆を買いに行くと、ずらりと並んだ袋の前で迷ってしまう。そんな経験はないでしょうか。国の名前、聞きなれないカタカナ、果物やチョコレートの名前。情報は多いのに、どれが自分に合うのかはわかりにくいものです。

でも、ラベルに書かれていることには、それぞれ意味があります。いくつかの手がかりを知っておくだけで、豆選びはぐっと楽しくなります。今回は、コーヒー豆を選ぶときに見ておきたい5つのことを紹介します。


1. 焙煎度で、味の方向を決める

はじめに見たいのが焙煎度です。全日本コーヒー協会によると、焙煎度は細かく8段階に分けられ、大まかには浅煎り・中煎り・深煎りの3つに分けられます。

一般に、浅煎りほど酸味が強く、深煎りほど苦味が強くなるといわれます。迷ったら、まずは中煎りから試して、そこから好みの方向へ動かしていくのがおすすめです。


2. 産地と精製方法を見る

次に、産地と精製方法です。同じ焙煎度でも、どこで、どのようにつくられたかによって、カップの個性は大きく変わります。

産地の欄には、国名だけでなく地域名や農園名、標高まで書かれていることがあります。土地の気候や土壌がもたらす風味の違いはテロワールとも呼ばれます。

精製方法もよく表示される項目です。果肉を取り除いてから発酵・水洗して乾燥させるウォッシュドは、すっきりとした味わいになりやすく、果実ごと乾燥させるナチュラルは、果実味の豊かな味わいになりやすいとされます。その中間にあたるハニーもあります。


3. シングルオリジンか、ブレンドか

ひとつの国や農園から届くシングルオリジンは、その土地ならではの個性をそのまま楽しめます。複数の豆を組み合わせたブレンドは、狙った味わいのバランスをつくりやすく、毎日飲んでも飽きにくいのが魅力です。

ラベルに書かれたテイスティングノートも参考になります。「オレンジ」「カカオ」などの言葉は、香料を加えているという意味ではなく、その豆の風味がどんな印象かを伝えるための表現です。気になる言葉があれば、それを手がかりに選んでみてください。

ラベルは、その豆が「どこで、どのように」つくられたかを伝える小さな手紙です。

4. 焙煎日を確かめる

焙煎した豆は、時間とともに香りが少しずつ失われていきます(劣化)。できれば焙煎日が書かれている豆を選び、飲みきれる期間で使うのが理想です。

SCA(スペシャルティコーヒー協会)の解説によると、焙煎の過程で炭酸ガスが生まれ、焙煎後しばらくは豆からガスが盛んに抜けていきます(ガス抜け)。新鮮な豆ほど、ドリップのときに粉が大きくふくらみます。袋にワンウェイバルブがついているのは、このガスを逃がすためです。


5. 豆のまま買い、量を決める

米国のNational Coffee Associationは、空気・湿気・熱・光を避けて保存し、淹れる直前に必要な分だけ挽くことをすすめています。挽いた粉は空気に触れる面積が大きく、香りが抜けやすいためです。ミルがあるなら豆のまま買い、淹れる直前に挽き目を合わせて挽くのがいちばんです。

すぐに飲みきれない量を買ったときは、冷凍保存もひとつの方法です。米国ペンシルベニア州立大学の研究では、焙煎豆を冷凍して保存すると、室温で保存した場合よりも香りの強さや好ましさが保たれやすいことが報告されています。その場合は、空気に触れないよう小分けにして、しっかり密閉しておくのが基本です。

量は、新鮮なうちに飲みきれる分だけ。いろいろ試したいときは、少量ずつ何種類か買って飲み比べるのも楽しい方法です。


選ぶ楽しさも、一杯のうち

焙煎度、産地と精製方法、シングルオリジンかブレンドか、焙煎日、そして買う量。ラベルの情報を少しずつ読み解いていくと、自分の好みがだんだん見えてきます。どこで誰がつくったのかを辿れること(トレーサビリティ)も、スペシャルティコーヒーを選ぶうえで大切な手がかりです。

RAW COFFEEの商品ページでも、産地や精製方法、テイスティングノートを紹介しています。気になる一袋から、ぜひ好みの一杯を探してみてください。